Q 食事に関して気をつけることはありますか?
A 運動をはじめたばかりの頃は、運動することにからだが順応していないため、急激に体内のエネルギーを消耗することになります。汗をかくことによって、水分、鉄、ナトリウムなどを失い、エネルギー源である糖分や脂質などが足りなくなるのです。ですから、規則正しい食事で、これらの不足しがちな栄養を補給する努力をすることが大切です。とくに肥満予防で運動を始めた人は、食事の管理に気をつけなければなりません。また、一般的に女性は鉄が不足しがちですから、レバーやほうれん草などの緑黄色野菜、豆類を多く摂取することが必要です。
Q なぜ疲れたときに甘いものが欲しくなるの?
A 長時間運動をすると糖はエネルギーとして消費され、足りなくなってきます。水分が不足すると喉が渇くのと同じように、疲れたときに甘いものが欲しくなるというのは、自然な現象といえるでしょう。
スポーツ選手たちはいつ、何を食べればいいかを考えて、科学的に栄養の補給を行っています。糖分はエネルギー源として役立つほか、疲労回復にも効果があります。なかでも蜂蜜は吸収がいいため、運動中の補給にはおすすめできます。スポーツ選手たちが水分補給時に蜂蜜の入ったスペシャルドリンクを飲んでいるのも、こうしたい理由があるからです。キャンディーやチョコレートでも糖分の補給ができます。屋外で長時間運動するときはポケットに用意しておくのもひとつの方法です。
Q ビタミン剤は多く飲んでもいいものなのでしょうか?
A 原則は食事からビタミンを摂取しましょう。
ビタミン類はからだが熱を産出するときにとくに必要となってくる栄養素です。ですから、多量のエネルギーを消費する運動をした場合には、普段より余分にビタミンを取る必要があります。運動で消費されるビタミンのなかでもとくに多く消費されるのがビタミンB群。このビタミンはからだの水分に溶けるので(水溶性ビタミンと言い、ほかにビタミンC、Pなどがある)必要がなければ尿から排泄されてしまいます。多くとっても問題はありません。しかし、ビタミンA、D、Eなどの脂溶性ビタミンは、多くとり過ぎるとからだに蓄えられて、体調を崩してしまうこともあります。現在、数多くのビタミン剤やビタミン入りの食品が市販されているので、食事だけでビタミンが不足しがちなときは、このような製品を上手に利用することで補給することができます。
Q ステーキや揚げものを食べると本当にスタミナはつくの?
A いいえ。ステーキや揚げものを食べると、お腹にずっしりとたまった気がして、スタミナがついたような気分になります。しかし、これは、脂肪分が多いか少ないかの問題。油は吸収されるのに時間がかかるので、腹もちがいいのです。しかし、お腹にたまるということと、スタミナがつくということは、同じではありません。運動に使えるエネルギー源がからだのなかにあるという点ではスタミナのものといえますが、スタミナがつくということは、それをうまく使える状態にあり、さらに心臓や肺の機能が高まって、すぐにばてないということなのです。運動をする人はエネルギーを多く必要をしますが、実際の運動でおもに必要なのは糖質です。試合前に「敵に勝つ」ためにステーキやトンカツを食べるのがいいというのはもちろん迷信。本当はパスタやごはんなどの糖質を多くとっておくといいのです。
Q 運動前いつどのくらいの量食べればいいでしょうか?
A 食事をとり、体内で消化・吸収が活発な状態では、それを助けるために胃腸に血液が動員されています。体内にとり入れた酸素を筋肉に運ぶ働きをしなければいけない血液が胃腸に動員されている状態では、運動をしてもその効果は上がりません。また、食べたものの吸収が行われている最中は、血液のインシュリン値が上昇しています。この状態では、体内に蓄えられているグリコーゲンや脂肪を分解してエネルギーを活発に発生させることはできなくなります。このように、食べものがまだ消化・吸収されていない状態で運動するといろいろと不都合なことが起こります。そればかりでなく、運動の直前に食事をすると、消化ができず、吐き気などの原因ともなってしまいます。まともな食事をするとしたら、運動の3〜4時間前が理想的といえるでしょう。ただし、空腹状態で運動するというのは考えもの。直前になにか食べるのであれば、甘いお菓子などを少し食べるのがいいでしょう。適度に血糖値が上昇し、運動に適した状態となります。
Q 運動後にビールを飲んでもかまわないでしょうか?
A ビールにもしっかりカロリーがあります。350mlで約145kcalですので、(運動強度によって違いますが)15分から30分程度の運動に匹敵します。さらに、ビールのおつまみに合う食べ物といえば、から揚げなどの味が濃く、カロリーの高いものが多いですね。
痩せるために運動している人や、ビールをおいしく飲みたいために運動している人など個人の価値観も様々です。
「何の為に運動しているか」によってその量を判断しましょう。
ですが、飲みすぎには要注意です。日本人のビールの適量は、1日に500ml程度です。
Q プロテインパウダーを飲むと筋肉はつくのですか?
A プロテインは大豆や牛乳を原料としたたん白質食品です。たん白質はからだにとって非常に大切で、通常体重1kg当たり1gを摂取する必要があるといわれています。さらに、筋肉を激しく使う人、または、筋力アップをはかろうという人の場合、体重1kgあたり約2gは必要とされています。そのため、たん白質を手軽にとれる食品として、スポーツ選手をはじめとして、多くの人にプロテインが注目されているのです。
確かにプロテインをとれば、筋肉を作るのには役立ちます。が、あくまでも適切なエクササイズやトレーニングと並行してとることが必要です。
プロテインの大きな働きは、筋力トレーニングなどを行うときにつく筋線維の微細な傷を治すことです。ですから筋肉をつけ、引き締めたからだを作るためには、適切で十分なトレーニング、筋肉をつくるもとであるたん白質、そして筋肉の合成を促進するさまざまなビタミン類やミネラルが必要となってくるのです。食事からだけでとりきれない場合は、名前の通ったメーカーの栄養補助食品を利用しましょう。市販されているプロテインパウダーのなかには、たん白質の合成を促進する酵素が含まれているものもあります。
運動をせずに、プロテインを飲んでいると筋肉にはならず、脂肪になります。
Q コーヒーを運動する前に飲むといいって本当ですか?
A スポーツ選手が競技の前にコーヒーや紅茶、ココアなどを飲んでいることがあります。これは、コーヒーなどに含まれているカフェインの作用をりようしようとするもので、自律神経系を刺激し、心臓の働きを高め、エネルギー代謝を活発にしてくれます。もっともカフェインには利尿作用があり、体の水分の損失が大きくなるということで、運動利用への反対意見もあります。もし運動によって皮下脂肪を燃焼させたいと考えているのならば、運動の前にコーヒーを何杯か飲んでおくといいかもしれません。カフェインには筋肉の脂肪酸エネルギーの代謝を活発にするという働きもあり、微量ながら運動中のエネルギー減として、体脂肪が利用されやすくなります。ただし、コーヒーを飲む際には砂糖抜きで。砂糖が入ることで、コーヒーの作用は数時間に渡って阻害されてしまいます。
また、「某体育大学の実験で、コーヒーを飲んで運動した人達と飲まずに運動した人達の脂肪燃焼量に差がなかった」という報告もあります。
Q 一日に食べなければならない野菜の目安量安は?
A 350gが野菜の目標摂取量です。そのうち100g程度は緑黄食野菜を摂るようにしましょう。目安としては、片手のひら一杯分を、小鉢一杯と想定すると、4杯分が野菜の目標摂取量に相当します。朝食を抜いたり、パン&コーヒーのみの人や、昼食が麺類や丼物のひとは、野菜が不足しやすいので、積極的に摂るように努めましょう。原材料が野菜のみの野菜ジュースなどを利用して、不足分をカバーするのもお勧めです。
Q 「節度のある適度な飲酒」の目安量はどのくらいですか?
A 健康な人で、ビールなら中ビン1本(500ml)清酒一合(180ml)ウイスキー・ブランデーはダブル一杯(60ml)焼酎約1/2合(75ml)、ワインはグラス2杯(240ml)です。また、適度な量でも毎日飲むと、肝臓などに負担をかけたり、食欲を増進させる働きもあるので、体脂肪が増加したりします。週に二回は飲まない日を作りましょう。
Q 貧血気味なのですが、鉄を効率よく摂取するには?
A まずは欠食をなくし、一日三食バランスよくとることです。激しい好き嫌いや無理なダイエットは止めましょう。
鉄分の含有量の多い食品としては、豚や牛のレバー・小松菜・豆製品・ひじき・あさりなどがあげられますので、上手に献立にいれ、鉄分を補給するようにしましょう。また、ビタミンCなどと一緒に摂ったり、酢や柑橘系・香辛料を使うことで、胃粘膜を刺激し、胃酸の分泌を亢進し、鉄の吸収率をあげる効果があります。
Q 牛乳などの乳製品は、たくさん飲めば飲むほど、カルシウム補給によいのでしょうか?
A 牛乳を過剰に飲みすぎると、エネルギーとして使われなかったものが、中性脂肪となります。一日の適当量は普通牛乳で200ml、低脂肪牛乳で230ml。一日1Lなど飲む方はカロリーオーバーにつながります。また、カルシウムを過剰に摂りすぎると、カルシウムの働きの調節をしている、マグネシウムの吸収を阻害するため、カルシウムが有効利用されず逆効果ですので、過剰に飲んだりせず、一日コップ一杯分ぐらいにしましょう。
カルシウムとマグネシウムのバランスを保つため、貝類などからマグネシウムを摂取しましょう。
Q スポーツドリンクなら、水分補給のため、水のかわり飲んでもよいのでしょうか?
A スポーツドリンクは果糖・デキストリン・炭水化物・ビタミン・ミネラルなどが含まれるため、体内への吸収効率が良いのですが、糖分を含んでいます。一般に市販されているスポーツドリンクには約6%の糖分が含まれているため、飲みすぎると糖分やカロリーの摂り過ぎにつながります。また、体内の吸収スピードを考えると、糖分は約2.5%以下が適していると考えられています。普段飲まれるものに関しては、水やお茶などで十分ですが、運動などで大量の汗をかく場合に飲む場合は、スポーツドリンクを水で半分ぐらいに薄めて飲みましょう。
Q たんぱく質はいつ摂るのがよいのか?
A 毎食摂ることが理想的です。朝や昼を抜くと、仕事や家事、スポーツなどの活動のために必要なたんぱく質が供給できていないため、活動力がにぶくなるからです。また、夜にかためて、たんぱく質を多く含む、肉類や卵などをたくさん摂ることは、体脂肪の増加につながります。なぜなら、たんぱく質は一定量しか体内に貯めることができないため、筋肉などの身体作りで使われなかったアミノ酸(たんぱく質)は、エネルギーとして消費されます。そして、夜はエネルギー活動量が少ないため、消費しきれず余ったアミノ酸は、体脂肪となるためです。
Q 朝食を抜くのはなぜいけないのか?
A 人間の脳は寝ているときも、活動しているため、脳の働きに必要なブドウ糖を消費しています。そのため、朝に食事をすることで、ブドウ糖を摂取し、脳の活動に備えなければいけません。また、熱い・冷たいなどの味覚や、噛むことにより、脳と身体を起こす作用があるため、朝食は「やる気」をおこします。逆に朝食を摂らないと、脳が疲れた状態で一日が始まり、さらにエネルギーが消費して、集中力が欠けて眠くなり、熱意が薄れ、体温が上がりにくいので、身体にだるさを感じる、というようなことにつながります。
また、欠食があると、飢餓を回避するためにエネルギーの吸収率や脂肪合成が促進され、結果太り易い体質になります。
Q 早食いはなぜ太りやすいの?
A 食べ物を一気に詰め込むと、胃や腸の吸収力が盛んになり、エネルギーを体脂肪として貯めがちになる。また、胃に食べ物が入った時点で血液成分は変化するが、満腹中枢がそれをキャッチするのに20分以上かかります。そのため、早食いをすると、満腹中枢が刺激される前までにたくさん食べてしまうので、満腹中枢が刺激された頃には、120%お腹がいっぱいになっている。そして、摂取エネルギー量が多くなってしまい、体重増加につながる。ゆっくり食べるためには、1口20回以上噛むようにこころがけ、30分ぐらいかけて食べるようにしましょう。
Q 欠食するのはなぜよくないの?
A たとえば一日一食しか食べない場合、一度の食事量が多くなり、その分のカロリーを消費するために、時間がかかる。そして、消費しきれない余分なエネルギーは、脂肪を貯めこむ働きのあるホルモンにより、体脂肪として蓄積されてしまう。また、欠食しているときは、飢餓状態になっているため、身体がいざというときのために、脂肪をたくわえようとする。結果的には体重増加や栄養不足につながるからです。
Q お菓子は一日どのくらいまで食べてもよいのですか?
A 基本的には一日適性摂取エネルギーの10〜15%以内です。しかし、お菓子は体内への吸収がよく、中性脂肪になりやすく、また、エネルギー過剰摂取につながるため、10〜15%以内だからといって、毎日食べられるのは、お勧めできません。「たまの気分転換」というぐらいがよいでしょう。
Q 夕食が遅いのはなぜいけないのですか?
A 肝臓や胃に負担をかけたり、消化しにくいので、胃もたれの原因ともなります。また、夜は副交感神経が働いて、身体を休めさせるとともに、栄養素を体内に貯蔵しようとします。そして、血中脂肪やコレステロール、体重の増加にもつながりやすいです。動物性たんぱく質より、植物性たんぱく質を使い、油控えめで、野菜中心の消化のよい食事を心がけましょう。
Q 血圧が低いので塩分をたくさん摂ってもよいのですか?
A よくありません。塩分を摂りすぎると、胃炎や胃がん、心臓病、腎臓疾患になる率が増えます。塩分を過剰摂取することで、胃粘膜の浸透圧が乱れ、発ガン性物質が入ってきたときに抜けにくくなるのです。塩分摂取理想量は10g未満であるのに対し、現状は成人で平均13.5g摂取しているので過剰摂取の傾向にあります。とくに外食や加工食品の摂取量が多いかたや、味付けが濃いかたは、知らず知らずに、塩分摂取量のオーバーが考えられるので、塩分量を控えるにこしたことはありません。
Q お酒は血圧を下げるのですか?
A 適量ならお酒を飲んでいるときは血管が弛緩するため下がります。しかし、飲みすぎると血圧を上昇させる作用があり、また、肝臓などにも負担をかけるため、結局は逆効果です。節度ある飲酒にとどめましょう。
Q運動後にレモンを食べるのはなぜでしょうか?
Aこれは運動をしたことによって多量に排出される汗に関係があります。汗にはナトリウム、カリウム、カルシウム、鉄などのミネラルが含まれています。このうちカリウムはどんな場合においてもほぼ一定して排出されるため、汗をかけばかくほど補給をする必要があります。そして、果物、とりわけ柑橘類にはこのカリウムが豊富に含まれています。ですから、スポーツの後に限らず、スポーツ中においても、レモンを食べることは効果的です。レモンが柑橘類の中でとりわけ多くカリウムを含んでいるわけではありませんが、他の柑橘類とは比べものにならない独特の酸っぱさが、気分をリフレッシュさせ、喉の渇きを潤すのにも役立つのです。
Q運動の際スポーツドリンクは本当に効果があるのでしょうか?
A一般にスポーツドリンクといわれているものは、吸収が良く、体液の濃さに近い濃度になっています。つまり、運動をしたからだには受け入れやすい飲み物であるわけです。さらに、成分として糖分とナトリウム、カリウム、カルシウムなどのミネラルを配合しているのですが、運動をしたからだは発汗作用によってそれらの成分を失います。その意味で有効な飲み物といえるのです。しかし、頻繁に飲んでいると肥満につながる恐れもあります。
スポーツドリンクにも「練習中」「試合前」「試合中」と目的に合わせ、含まれる成分の違ったものも市販されています。
Q 昼食はどうしても外食になりますが、何を選べば良いですか?
A 生活習慣病の予防・改善のためには、外食の機会をできるだけ減らすことが望ましいのですが、現実にはなかなか難しいものですね。
外食は、主食(ご飯類)の量や油の量が多く、野菜が少なく、また、味付けが濃いといった特色があります。
選び方や食べ方を工夫して、充実した昼食を目指しましょう。
1.主食、主菜、副菜のそろった定食のものを選びましょう。
2.できるだけ、野菜の具やおかずの多いものを選びましょう。
3.肉類の脂身は残しましょう。
4.揚げ物は、毎日続かないようにしましょう。
5.漬物、佃煮は残しましょう。
6.毎日同じメニューにならないようにしましょう。
Q 夕食はいつも22:00を過ぎます。夕食を抜いたほうが良いですか?
A 夜は体内に脂肪を蓄積しやすくなるため、遅い時間帯にたっぷりのごちそうを食べると肥満や翌朝の不快感につながります。
一方、夜は、体づくりの時間帯でもあり、夕食から摂った栄養素を元に身体の各細胞を作り変えや修復が盛んに行われます。
太るからといって夕食をとらないと、体調を崩し、疲労やストレスも溜まってしまいます。
どうしても夕食が遅くなる方は、昼食をしっかり摂り、夕食ではなるべく油を控え、野菜たっぷりのあっさりメニューを腹八分目に食べるようにしましょう。